ひとつ8×10の引き伸ばし機を作ってやろう!と考えました。
以前に4×5の引き伸ばし機を作った時と同様にカメラを流用すると、比較的簡単に製作できるのですが、悲しいかなバイテンのカメラを所有しておらず、一からバラックで作ってみようかと思ったり、仕舞い込んでいるシノゴのビューカメラを改造しようかと考えたり・・・

【1日目】
いずれの方法で進めるにしても、バイテン用のジャバラは先に作っておくことにしました。
 ジャバラの設計方法をインターネットで検索して、展開図面を描き、製作し始めました。作図途中の展開図の写真と部分的に試し折りをした写真です。
バイテンのジャバラともなれば1m超角の用紙が必要となるのでA3の用紙をつなぎ合わせています。
   さて 如何なることやら・・

 

旧職場に クリーム色の菊4のレザックが2〜300枚ほこりを被っておりましたのでそれを使用 明るい色なのでそのまま使うと さしずめ牡丹灯篭?

【2日目】
製図を済ませて 折り目のすじ付けも完了
続いて、慎重に山と谷を折ってゆくこと2時間余り

やっとジャバラらしき形になってきました

さて、次に遮光しなければなりませんが
・黒ラッカーを吹き付けると 折り目からポロポロ
 と剥がれてきそう 
"染めQ"を使うと遮光性に少し難がありそう
・裏打ちをすると 折り紙作業がし難い・・のでは

などなど ちょっと考え中です

(参考)用紙を折る時には、指の爪は少々伸ばし気味の方が作業がし易いです。

 


3日目】

結局 黒い水性スプレーで内外面を塗装
しかし内面の谷部分には スプレーの気流の所為か
谷底までは上手く噴霧できません
乾燥後 太陽にかざして見ますと すじ付けの強すぎた部分に僅かに裂け目を確認
数か所をパーマセルテープでの補修となりました

底辺 : 300mm、上辺 : 110mm、山数 : 20、山高 : 20mm
写真に写っている状態は 山()の角度は約90度で長さは450mm
無理なく伸ばして600mm700mm
従って 引き伸ばし機ならぬ "縮小機?" としても使えるかも・・・


次は ネガキャリア、拡散筒、光源・・

       を如何するか 走りながら考え中です。

 

【4日目】

ジャバラ取付け並びにネガキャリアを置く台となる木製枠をつくる。

一辺(又は二辺)で支えても、上に乗せる散光BOXと光源部さらに下に取り付けるジャバラの重量に耐えて歪むことの無いように、

1×4材を使用して30cm角の枠を作る。

 

 

【5日目】

ネガキャリア台(黒色塗装)の上に重ねるh300mm×w300mm×d300mmの散光筒を4mm厚のベニヤ板で作る。

写真の鉛筆が挟まれている隙間が、ネガキャリアの挿入口となる。

後日、筒内を白く塗装の上、拡散板を取付け、その上に光源部を置くことになる。

散光筒と光源部は脱着可能にするように嵌め込み構造にして、ジャバラは最後にネガキャリア台にボンドで接着する予定。


拡散板は10×15mmの角材を枠にして、半透明のレジ袋を張りました。

折を見て 東急ハンズ辺りで拡散板の材料を探して見ようかとも思っていますが・・

取り敢えずのところ、レジ袋の廃品利用も十分に実用になるものです。

先回作ったシノゴの引き伸ばし機は、レジ袋利用のまま、2017展の作品を作ってしまいました。
      


【6日目】

少し作業を進めました。

(1)ジャバラを本体にボンドで接着

  木工用ボンド未乾燥で白くみえています

 


(2)
ホースマンのL型アームのチルト・ライズ用等の不要な部分を取り外し


(3)L
型アームを本体枠に取り付け


  大分見えてきましたが 

  光源を何にするか もう少し考えてみます。

 

【7日目】

引き伸ばし機製作は じわじわと進んでいます。

今日「ホースマン45EX」の残骸に組み付けました。

ピントグラスの無い「バイテンカメラ」の完成です。


これを ジャンクの引き伸ばし機の支柱に取付けてランプハウスを載せれば完成です。

      :    


【最終日】

 バイテンの引き伸ばし機を暗室に持ち込んでテストをしてみました。

・光源は 白熱灯80W相当のLED電球を5灯装着

   つまり400W 相当ですが 実電力負荷は数十ワットに過ぎません


・レンズは ニコン f:240mm F:5.6

・ネガキャリアは 前回と同様に2mm厚のガラスを使う

 

 デスクに置いて全紙サイズまで伸ばそうとしますと 天井につかえてNGでしたので床に降ろしてテスト

 ところが今度は支柱の長さが少々足らず小全紙程度までしか伸びません。

   これはヘッドを逆にしてデスク上から床面投影で対処します

   そうすれば 5×7の全紙焼きにも対応出来るでしょう。

・次にジャバラをいっぱいに伸ばして「縮小機」に成るか否かをテスト

 バイテンをキャビネサイズまで縮小出来ました。

   縮小って 何の意味があるの? なんかあるでしょ! 

・投影画面の照度を測ってみましたら

  F:11 でセンターと隅で半絞りの差が

  F:22 まで絞ると大体均一に

   やはり大判用レンズは F:22で設計されているのですね

・ジャバラの数か所に薄っすらと光線漏れが見受けられます・・

  ボールペンでの筋付けが強過ぎた箇所です

   パーマセルテープの出番です

要するにこの程度の工作物でも、十分に実用になりそうと云う事でした。

本番のネガで試してみたいものです・・・

   (残念ながら バイテンのカメラは持っておりません)

 


【追加】

  

以前、機械類を処分する時に取り外して残していた製版カメラのレンズの中から、f:210mm/F:9と云う小型の物を見つけ、リンホフボードに無理矢理に取付けて引き伸ばし機にセットしてみました。先日f:240mmを取り付けた時にはランプハウスが、天井につかえて全紙焼きが出来なかったのですが、焦点距離で僅か30mmの違いは本体の伸長度に大きく影響して、全紙までの引き伸ばしが卓上で可能になりました。何れにしても大きくて天井にギリギリの寸法です。全紙イーゼルに載っているのがフロートガラスと無反射ガラスを利用したネガキャリアです。投影画面のセンターと隅との照度差は1/2EV弱に収まっていますが、少し周辺の焼き込みが必要となるかも知れません。



 

エイトバイテンの引き伸ばし機を作ってみよう 

 2019年