「ギー」「ギー」と音を立てて何枚もの羽根が回る。間に取り付けられた木枠が水路から田んぼへ水をくみ上げる、現役の水車だ。
今や時代劇の中でしか見られないような光景に、多くの人が引き寄せられる。 兵庫県中部の山あいにある神河町の新野(にいの)地区。300年以上前から水車が使われ、昭和初期には18基が稼働したが、農業の近代化や減反政策で昭和40年代に3基まで減った。
時代に取り残された水車を、あえて地域おこしの核にしようと9年前、住民らが「新野水車の会」を結成。地域のシンボルとして新たに8基を作った。毎年5月と11月に水車の周りでイベントを開くようになると、県内外から多くの観光客が訪れるようになった。近年は外国人の姿も珍しくないという。
= 風斗雅博 = (神戸新聞 6/19から転載 )
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